長引く新型コロナを克服するために人々は耐えている。感染への恐れは仕事に影響を及ぼし、さまざまな苦境を乗り越えるべく頑張っている現実のさなかにいます。
こんな時、高村光太郎の詩「冬がきた」を思い出す。
キッパリと冬が来た 八つ手の白い花も消え 公孫樹の木も箒になった
キリキリともみこむような冬が来た 人にいやがられる冬 草木に背かれ虫に逃げられる冬
冬よ僕にこい 僕にこい 僕は冬の力 冬は僕の餌食だ
しみ透れ、 つきぬけ 火事をだせ 雪で埋めろ 刃物のような冬が来た
晩年、岩手の花巻の山里に質素な小屋をたてて暮らした。自ら選んで厳しい自然とともに暮らす生活をした彫刻家であり詩人。美術や文学は人を内から支えるものである。強い信念を持ち、あえて困難を創作の力に変えようとしたのではなかろうか。刃物のような厳しい冬を乗り越えようとする強い意志の表れた詩。自分自身の心を奮い立たせることばです。冬の厳しさの後には目の覚めるような鮮烈な北国の春の喜びに満ち溢れることでしょう。
冬の便りを聞くこの頃、これから来る冬に備えて、気を引き締めて、感染の蔓延を防ぎ、明るい春の時を迎えられるよう願っています。皆が喜びを分かち合えるよう願っています。
(心に響いた言葉管理者)
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